プロやトップアマにカテゴライズされるゴルファーには、パープレー程度のレベルなら誰でもなれると言う人がいる。私自身そのレベルに達していないので、それが本当かどうか分からないが、少なくとも麓から想像する景色と山の上から見る景色はまったく違うらしい。
山の上の景色は見たことがないが、麓より少し高いところから見える景色の範囲で、個人的な意見としてゴルフが上手くなるために大事なポイントを3つ挙げる。
時間を作る
ゴルフが上手くなるためには、コースのラウンドや練習するための時間が必要になる。時間を作るためにまずやるべきことは、現時点で何にどれだけ時間を使っているか把握すること。
時間の使い道を記録してみれば、たった1日の中でも決して少なくない使途不明時間があることに気づくはず。私は「たすくま」というiPhoneアプリで時間の使い道を記録している。
「たすくま」の詳細については、機会があれば別の記事で紹介したい。
そして、時間を作るうえで絶対に忘れてはならないポイントは、「今まで他のことに使っていた時間を削る必要がある」ということ。つまり、本質的に「時間を作る」ことはできないと理解しなければならない。
例えば「何をしていたか思い出せない時間」というものがあったとしても、その時間は何もしていなかったわけではない。本当に何もしていなかったとしても、その時間は「ボーッとしていた」のであって、「何もしていない=時間を使っていない」ということではない。この時間を安易に練習やトレーニングの時間に充てられると考えると失敗する。
PDCAサイクルでいうところの、P(計画)からスタートすると現実を無視した計画になりやすい。現状の時間の使い方を記録して、C(評価)からスタートすれば、現実的な計画を立てやすくなる。
目標を明確にする
アベレージゴルファーのレベルから抜け出せない人は、ゴルフの目標が明確になっていないことが多いように見受けられる。
明確な目標とは「いつかゴルフが上手くなりたい」のような漠然とした願いや希望ではなく、SMARTの法則に従って設定されている必要がある。
「SMARTの法則」とは目標設定に必要な5つの要素の頭文字を集めたもので、それぞれ「Specific(具体的であること)」「Measurable(数値化できること)」「Achievable(達成可能であること)」「Realistic(現実的であること)」「Time-related(期限が決まっていること)」の5要素で構成される。
例えば「1年後までに100を切る」とか「5年後までに平均スコアで90を切る」といった目標が適切な例で、「5年後までにシングルプレイヤーになる」という目標は、あまり適切とは言えない。
その理由は、アベレージゴルファーがシングルプレイヤーの要件を正しく理解している可能性が低いことと、シングルプレイヤーになるためには所属クラブのハンディキャップ委員会から承認される必要があり、目標の数値化ができているようでできていない。
目標が明確になっていないと、計画が立てられないためPDCAサイクルを回すことができない。
どれだけ練習(実行)しても、それが計画に基づくものでなけれなければ結果を評価できないため、本人は改善しているつもりでも場当たり的な対応になりやすく、同じレベルを堂々巡りするだけで上手くならない。
計画を立てる際にも、現状の把握と分析からスタートすることをお勧めする。つまり、現時点の平均スコアや何が得意で何が苦手か、毎月のプレー回数や練習量、ゴルフに使っている金額や人間関係・・・等々、今あるものをベースにどれだけ量を増やせるか、質を向上させることができるかを改善ポイントとして計画に落とし込んでいく。
そして、目標を決めるのは自分自身であること。本当にその目標を達成したいのか、他人の目を気にした目標設定になっていないか、自分自身に問いかけて欲しい。
上手い人の行動や思考を身につける
個人的には、3つのポイントの中でこれが最も難しいと考えている。
まず「上手い人」の定義をしておくと、望ましいのはハンディ5以下。いわゆる5下と言われるゴルファー。もう少し定義を広くしてもせいぜいハンディ9以下のシングルプレイヤーまで。自身がこの定義に含まれている人は、当然さらに上のレベルのゴルファーが対象になる。一緒に練習したり、ゴルフをプレーすることが前提なので、コーチやレッスンプロは基本的に対象にならない。
シングルプレイヤーの割合はゴルファー全体の5〜7パーセントと言われていて、ある程度はゴルフについて体系的な考え方を確立している可能性が高い。両手シングルにはそうじゃない人も少なからず含まれるので、できればハンディ5以下のゴルファーを探したい。
このレベルのゴルファーは、基本的に自分から教えたがることは少ない。アドバイスを求めても、上手くなることの代償を自ら体験しているため、相手の姿勢次第では本当のことを教えてくれないかもしれない(嫌がらせではなく相手への優しさとして)。
これを裏返すと、教え魔に捕まるのは絶対に避けるべきということになる。教え魔は自分が教えたいだけで、相手のことは基本的に考えていない。シングルレベルにすら達していないならば、アドバイスも単なる思いつきレベルを超えることはなく、最近見た雑誌や動画の受け売りだったり、自分が直そうとしているポイントで相手を見ているだけかもしれない。
一緒に行動してくれるような上級者と知り合いになるのは、時間を作ることや目標の明確化と異なり、自分一人では解決できないポイントではあるが、自分より上手い人と練習やラウンドをするのはとても大事なポイント。ライバルのゴルフ仲間と切磋琢磨・・・と言うと聞こえは良いが、「同じレベル」なら相手から学ぶものは何も無いということに外ならない。
自分より上手い人とつながるには、ゴルフコースのメンバーになることや、競技に参加することがオーソドックスな方法で、周りに上手い人がいなければ検討して欲しい。
まとめ
「ゴルフとセッ○スは下手でも楽しめる(チチ・ロドリゲス)」という格言があるが、下手なままより少しでも上手くなった方がより多くの楽しみを体験することかできる。誰もがシングルプレイヤーになるのは難しいかもしれないが、何かを変えることで誰でも少なくとも今より上手くなることはできる。
一度決めた目標は絶対的なものではなく、状況に応じて見直ししても良いし、時間の使い方は他のことにも応用が利く。ゴルフを通じて豊かな人生を手に入れる人が一人でも多くなれば良いと願っている。
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