スコアを5打減らすパッティングの考え方と練習について

ゴルフの練習
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私はパッティングがあまり得意ではなく、自宅に一応パッティングマットも置いてあるが、ほとんど練習しない。練習しない理由は、漫然とボールを転がすだけでどれだけの練習量をこなせば上手くなるのか予測できず、練習時間を投入する効果が判断できないためである。
これまでパッティングのミスからプレーのリズムを崩すことも多かったのだが、ちょっとした変更で劇的な改善効果(1ラウンドあたり3〜5打)を得られたと感じたので、考えたことを整理することにした。

この記事の対象者

パッティングが苦手なゴルファー

この記事は、パッティングをあまり得意としないアマチュアゴルファーの戯れ言なので、自信を持ってパッティングできているなら、記事を読むのは時間のムダかもしれない。

二八そばドリルをクリアできるゴルファー

さらに対象者を絞り込むと、2メートル前後の距離からノーカンパットを頻発するようなビギナーゴルファーにもこの記事は向いていない。こういったゴルファーは、まずは二八そばドリルでショートパットの距離感を身につけて欲しい。

ミスパットの原因

まずはパッティングをミスする原因について考える。

ラインの読み間違い

ゴルフの競技特性上、同じ場所からパッティングする可能性は限りなくゼロに近い。カップの位置は定期的に切り直され、グリーンの芝は生育していて、天候にも左右されるため、すべてのパッティングは初めて体験するラインということになる。
基本的にパッティングラインをすべて適切に読むことは不可能であり、過去の経験から似たような場面を脳内で検索して再現して判断することになる。ラインを読むというよりは予測するという表現の方が適切だと考えている。
予測に過ぎないので、イメージしたとおりにボールを転がせないと予測の正しさを検証できず、価値のある経験として蓄積されにくいことが上達への大きな課題になる。

ストロークのミス

グリーンを観察してボールの転がりを予測しても、そのとおりにボールを転がすことが難しい。
ストロークのミスには方向のミスと強さのミスがある。方向のミスは、インパクトの瞬間にフェース面がターゲットを向いていないことが端的な原因だが、細分化すればアドレス時点でフェースの向きが誤っているケースと、ストローク中にフェースの向きが変わってしまうケース、そしてその両方が併発する3つのケースがあるが、併発のケースはうまく相殺されてミスが認知されない可能性もある。
強さのミスは、イメージしたとおりのスピードでボールをストロークできなかった状態と定義し、「イメージどおりのスピードでストロークしたけどオーバーした」というのはラインの読み間違いに分類される。
初心者であれば、単なるストロークミスは珍しいことではないが、ある程度の経験を積んだゴルファーは、過去の失敗体験からくる自分への猜疑心が影響してストロークのミスになることがある。

グリーン面の目に見えない凹凸

ゴルファーが対処することは難しいが、グリーンには目には見えない程度の凹凸がたくさんある。
ゴルファーがグリーン上を歩くだけでも深さ0.1〜0.5mm程度の足跡が残るし、カップからボールを拾い上げる際は片足に全体重がかかるうえにその場所もカップ周りに集中する。スパイクマークやボールマーク、古いカップの跡を古いものを含めてすべて見つけて修復することはできないため、これが原因のミスは防ぐことができない。
練習グリーンで、どう見ても右に切れる傾斜から左カップ内側を狙ったら、カップの左を通過したことがあり、何度も同じように外れるので左に曲がる辺りのグリーン面を触ったところ、スパイクのかかと部分に近い大きさで左に傾斜した部分があり、そこを通過したボールが左に外れていたことが分かった。プレー中はこのような触り方はグリーン面のテストと見做されるためできないが、このような傾斜をすべて見つけることは不可能だと思う。

ボールの製品誤差(偏心)

ゴルフボールだって必ずしも均一に製造されているとは言えない。チェックゴープロでボールを高速回転させると、ほとんどのボールは最初に置いた位置からズレる。
また、パーフェクトパターを使ってボールを転がしてみても、ボールが止まる位置にはバラつきが出る。
このことから、ボールの重心には微妙な偏りがあり、製品ごとの個体差もあると考えられ、これが原因で微妙にボールが曲がる可能性は、ほとんど無視できるレベルではあるものの、完全に否定することはできない。

具体的に変えたこと

ボールのラインをチェックするようにした

近年販売されているゴルフボールには、ターゲットを狙うためのラインが引かれているものが多い。グリーンでボールをリプレースする際に、このラインをターゲットに合わせるのだが、この向きをパターのシャフトでチェックすることが、この記事の最重要ポイント。
実際にチェックしてみると、私は狙った場所に正確に向いていないことが想像以上に多かった。
例えば、左に曲がる傾斜で右カップ内側(カップの右フチにボールの右フチが重なる方向)を狙ったつもりで右カップ外側(カップ右フチにボールの左フチが重なる方向)にラインが向いていると、ボールをイメージしたとおりにストロークするとカップ右を通過してしまう可能性が出てくる。このようにして外れたパッティングは、ミスの原因を特定することが困難になる。ストローク(方向)をミスしたと考えれば、次回同様のラインに遭遇したときにカップ左に外す可能性が高くなるし、拗らせるとフェースを左に向けてプッシュアウトするクセがつく可能性もある。
自分の読んだラインに自信が持てなくなれば、自ずとストロークの強さは弱くなり、ショートのミスだけでなく、曲がり幅が大きくなってカップインの確率も下がる。

ボールに三本線を引く

ボールには三本線を引くのは必須ではないが、シャフトで向きをチェックするために強く推奨する。ゴルフボールにプリントされたラインや1本のラインは、シャフトを重ねると隠れてしまう。三本線を引くためのアイテムは数多く販売されていて、線の間隔も様々なので、自分にあった製品を探してみて欲しい。
試行錯誤の結果、私がボールに引くラインはこのように落ち着いた。

練習でも1球ずつ向きを合わせる

朝のパッティンググリーンで観察すると、ボールのラインをターゲットに合わせてボールを打っているゴルファーはほとんど見かけない。私自身もスタート前のパッティング練習では全球ボールのラインを合わせないが、少なくとも1回はやるようにしている。
プレー後のパッティング練習では、ショートパットは全球ボールのラインを合わせてストロークしている。

練習方法

ゴルフコースの練習グリーンで

パターマットは本物のグリーンとは全く別のものなので、この練習はゴルフ場の練習グリーンで行うことを想定している。

ターゲットはカップが望ましい

ゴルフ場によっては練習グリーンにカップを切らないところもあるが、コースのグリーンと同様のカップに向かってパッティングしないと、ボール半個レベルの出し入れによるストロークの結果を確認できない。

4フィートの距離を4方向から

4フィート(約1.2メートル)のパッティングは、ゴルフデータ革命のショットリンクデータによると1パットの確率が90%を切り88%に落ちる(3フィートは97%)。まずはこの距離からスタートすることをお勧めする。


練習グリーンのカップ位置は選べないが、狙う場所がカップの内側か外側か迷うくらいの傾斜だといちばん練習になる。まずはカップに対してストレートなラインを探して12時方向(下りのストレート)か6時方向(上りのストレート)を見つける。
最初は自信をつけるために6時方向からスタートして3時方向と12時方向、9時方向からパッティングする。難易度を上げるなら、1時半方向から90°刻み(4時半、7時半、10時半)でパッティングしたり、1時方向や2時方向からスタートしても良い。
私のパターは33インチ(3フィートは36インチ)なので、パター1本分の長さにグリップの長さをプラスして4フィートの目安にしている。

5球連続でカップインさせる

ボールは5個用意して、1方向から5球連続でカップインしたら次の方向に進む。もちろん、1球ずつボールのラインをターゲットに合わせてシャフトでチェックしてから打つ。比較的すんなり終わる日でも30分はかかるし、ちょっと難しい傾斜にカップが切ってあったりすると、1時間かかっても終わらないこともある。
4方向20球連続カップインだと終わらないので、私はチャレンジしたことがない。カップ位置の傾斜が緩やかで難易度が低い場合は5フィート(パター2本分の距離からグリップの長さを引く)にすることもある。6フィート(パター2本分)まで伸ばすと不確定要素(グリーン面の凹凸等)の影響も無視できなくなり、5球連続カップインはかなり難しくなる。

練習の目的

幅を見つける経験の蓄積

ラインは読むものではなく予測するものと前述したとおり、打つ前に正確な情報を得ることは難しい。であれば、正しいラインを見つけるという考え方ではなく、多少強くても弱くてもカップインするにはどこを狙えば許容範囲が広いかという考え方が妥当であろう。5球連続でカップインするには全く同じストロークを繰り返せれば良いのだが、人間なので若干の強弱はどうしても発生する。そこで少し強めに打ってもカップの高い方の外側を抜けず、少し弱くても低い方のフチに引っかかる強弱の幅があれば、予測したライン上にボールを打ち出すことに集中しやすくなる。

できるだけ素早くボールのラインをターゲットに合わせる

プレー中は1回のストロークに使える時間が限られている。グリーンの傾斜の確認やラインの予測は自分の打順が来る前に済ませておくとしても、ボールのリプレース以降は同伴競技者のプレー中にはできないので、ボールのラインをターゲットに合わせるのに手間取ればスロープレーになってしまう。
方向の微調整の加減を練習で経験しておくことで、プレー中も慌てずにラインを合わせることができるようになる。

ボールのラインどおりにストロークする

言葉にしてしまえば当たり前のことでも、実行するのは容易ではないことがある。私はラインに合わせてアドレスしてみると、それまでの感覚より狙いが薄いと感じることが多かった。この違和感に慣れておかないと、プレー中に混乱するかもしれない。

まとめ

ボールのラインの向きをシビアにチェックするようにしたら、安心して強めにストロークできるようになった。特に曲がり幅がカップの幅に収まるラインは、アドレスした時点ではカップの右や左を抜けるミスにはならないことが担保されているため、安心してストロークに集中することができる。強さのミスは、弱すぎてアマサイドに外れることだけ心配すればいいので、自信を持ってパッティングできるようになった。

これまでファーストパットやアプローチで1〜2メートルの微妙な距離を残してしまうと、「次で入ったらラッキー」くらいの諦めの境地でプレーしていたが、今は次のストロークに集中できるようになったし、カップインの確率も上がっている。

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