【レビュー】Garmin Approach(ガーミン アプローチ)S62の貢献度分析(ストロークゲインド)機能を評価する

ツール
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Arccos Caddieを半年間試行してみたところ使い勝手の悪い点があったので、同様の分析ができそうなツールとしてGarmin Approach S62の存在を知り、こちらも試行することにした。GPSナビの機能は利用しないため、貢献度分析の機能のみ評価を行う。
半年程度の期間を前提に試行して、評価は随時記事の加筆修正を行っていく予定。

Garmin Approach S62で何ができるか

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Garmin Approach S62はArccos Caddieと同様にプレー中のショットを検知し、使用した番手と地点を記録することができる。製品の用途はゴルフのプレー中のGPSナビがメインで、プレーの分析はあくまで付加機能と位置づけられている印象。GPSナビの機能として、ディスプレイにプレー中のホールのレイアウトや残り距離等を表示することができるし、高低差やグリーンの方向、さらにはスマートフォンの天気予報と連動して風向・風力も表示できる。
スマートウォッチ型のGPSナビとしてガーミンの存在は知っていたが、距離計測ではレーザー距離計に劣るし、腕につけるという点で普段使用しているApple Watchと競合することもあり、検討対象として考えていなかった。

Garmin Approach S62はどうやって使うか

ゴルフ場でGarmin Approach S62を使用するためには、いくつか準備を済ませておく必要がある。
まずはスマートフォンにアプリ「Garmin Golf」をダウンロードし、Garmin Approach S62とBluetoothで連携する。そして、プレーで使用するクラブをアプリで登録しておく。クラブは14本を超えて登録することもできる。別売のセンサーでショット検知を行う場合は、スマートウォッチとセンサーを連携する。

ゴルフ場に着いたら、スタートする前にスマートウォッチのメニューでゴルフ場を選択してプレーを開始することで、GPSナビとして利用できるようになり、ショットの検知も開始される。
プレーを開始した状態のGarmin Approach S62は、利き手と逆の手首に装着した状態でショットの衝撃を検知して、ユーザーに使用したクラブの番手を確認してくれる。
グリーンに上がると自動的にスコア入力画面に切り替わり、スコアとパット数、ペナルティ数を入力するとそのホールのプレーが完了する。
ピンポジションもスマートウォッチの画面上で設定することができるが、パッティングやグリーン周りのショートアプローチはクラブにセンサーが付いていないと検知できないようだ。とりあえず、パターを含めショートアプローチで使用する可能性のある6本のクラブにセンサーを取り付けた。センサーを取り付けない場合はパット数の入力のみ可能ということで、ストロークの貢献度を正確に分析することはできなくなる。

【2021年7月3日追記】
GPSの機能により、プレー中のホールに自動的に移動してくれるのだが、INスタートの場合は注意が必要。18番ホールをプレーした後は、1番ホールに自動的に切り替わらないので、後半のハーフをスタートする前に手動でプレー中のホールを変更する必要がある。

Garmin Approach S62の良い点

スマートウォッチ単体でショット検知できる

プレー中は、パッティングとショートアプローチを除いてスマートウォッチでショット検知が完結するので、スマートフォンを持ち歩かなくてよい。
実際にプレーで使用したところ、素振りを誤検知することは少なかったが、暫定球のプレーも検知していなかった。ハーフ休憩等、待ち時間に後述のセンサーを取り付けたクラブでパットやアプローチを練習する際は、プレーを中断しておかないと高確率で誤検知(動作としては正常だと思うが)が発生する。

センサーは電池交換が可能

ショット検知に必須ではないが、センサーをクラブに取り付けて使用したクラブの番手を自動的に記録することができる。取り付けるクラブの本数も完全に任意で、センサーを取り付けていないクラブはショット後に番手を選択すればよい。
センサーは電池交換が可能で、汎用性が高いCR2032を使用する。一度購入すればシステムが対応する限りセンサーを買い替える必要はない。Arccos Caddieのセンサーは使い捨てなので、これはありがたい。

14本以上のクラブを登録できる

クラブの追加等クラブセッティングはスマホアプリで編集する必要があるが、14本を超える本数のクラブを登録することができ、ショット検知した際のクラブの選択肢として表示される。同じ状況から複数のクラブを打ち比べることはできないものの、これは地味にありがたい。

電池の持ちが良い

ショットの検知に使用するデバイスは、最適限18ホールのプレーが終わるまで電池が持たないと話にならないが、Garmin Approach S62の電池は持ちが良く、18ホールのプレーに問題なく対応できる。また、ハーフ休憩時にプレーを一時中断することで電池の消費を抑制することもできる。
初回のラウンドではハーフ休憩時にプレーを中断する操作を行わなかったが、18ホールのプレー終了時点の電池残量は75パーセントだった。競技等で1日36ホールのプレーにも十分対応できそう。

トーナメントモードも搭載されている

GPSナビの機能として、高低差やグリーンの方向、風の強さや向き等グリーンまでの距離以外の情報も表示することができるが、残り距離のみを表示するトーナメントモードに切り替えることもできる。ただし、同伴競技者から設定しているモードは分からないので、その点は注意が必要。

Garmin Approach S62のイマイチな点

グリーン上のプレーが編集できない(致命的な欠陥)

これはGarmin Approach S62というよりアプリ側の問題だが、Garmin Golfではグリーン上のプレーを編集することができない。
ピンポジションは、プレー中にGarmin Approach S62の画面で設定しておかなければ、プレー履歴から後で修正することができない。スマートウォッチの小さい画面でピンの位置を指で設定するのだが、なかなか思った位置にピンを移動することができない。
さらに、パターに取り付けたセンサーで検知しているであろうストロークした地点に至っては、プレー中のGarmin Approach S62の画面でもプレー履歴でも一切確認することができない。左の画像のとおり、ショットはショットリストから削除できるが、パットは削除マークが表示されず、マップのグリーンをタップしても拡大表示されない。

ショットリンクのデータによると、カップまで1フット(約30センチ)からホールアウトに要する平均ストロークは1.01打。これが8フィート(約2.5メートル)では1.5打、30フィート(約9メートル)だと1.98打になる。カップまでの距離が近いほど数十センチの誤差でも貢献度の算出に大きく影響する。Garmin Approach S62のGPSの仕様によると、補完信号としてみちびきを利用しているものの、サブメーター級に対応しているとの記述はないため数メートルレベルの誤差は発生する。

パッティングやショートアプローチの貢献度は、手動で修正することを前提にしないとデータとして全く参考にならないため、カップまでの距離を数値で入力するだけでも良いので、この点は是非改善されることを期待したい。

センサーの蓋が無くなる

センサーの電池交換が可能であるゆえの欠点だが、グリップエンドに取り付けたセンサーの蓋がプレー中に無くなってしまうことがある。プレー中にはたと気づくと、画像のようなセンサーの残骸がグリップエンドに残っていて、暗澹たる気持ちになる。
7回ラウンドして、6個のうち2個のセンサーの蓋が無くなってしまった。電池も当然無くなってしまうが、センサーの蓋はパーツで売っていないようなので、センサーを買い直すことになる。
結構な頻度で無くなってしまうと、費用もバカにならない。

ホールマップが拡大できない

こちらもGarmin Approach S62というよりアプリ側の問題だが、Garmin Golfではショット履歴が表示される各ホールのホールマップ(ホールのレイアウト図)が拡大できない。

そのため、グリーン周りのショートアプローチを編集で追加する場合に、正確な場所に履歴データを置くことが難しい。アプローチを失敗して、既存の検知ポイントの近くに手動で追加するのはほぼ不可能で、Garmin Golfの使い勝手は良くない。

ショット検知の回数とスコアが連動しない

各ホールをホールアウトする度にスコアを入力(スコア、パット数、ペナルティ)するのだが、これは検知したストロークの回数と連動しない。実際にホールアウトしたスコアより検知したストロークの回数が多かったりする。

そして、パター以外のクラブのショット履歴は削除できるが、パターのショット履歴は削除できない。練習ラウンドでは、ラインの確認のためホールアウト後に何度か練習ストロークを行うことがあるが、この練習ストロークも検知され、確認も削除もできないまま分析の対象とされてしまう。

左の画像のホールでは、パッティングを含め少なくとも9回のストロークが検知されているが、実際のスコアはボギーである。前述のとおり、パッティングの検知データは削除できないため、このホールでは2パットでホールアウトしているにも関わらず、3回以上のパッティングを行ったものとして貢献度が分析されることになると思われる。


導入コストが高い

Garmin Approach S62の定価は税別で62,000円。フリマアプリでも53,000〜55,000円程度。別売のセンサーは、3個で税別11,852円でフルセットだと36,852円。Arccos Caddieの3万円前後と比較すると、かなり高い。
分析機能に関する製品のレビュー記事が少なく、購入前の情報取集が困難で、取扱店にも足を運んだが、カタログや公式サイトに掲載されている以上の情報は得られなかった。

まとめ

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プレーで使用した回数が少ないため、もう少し試行を重ねたうえで結論を出したいが、貢献度の分析はストローク前後のカップまでの距離が最も重要な要素で、カップに近いほどわずかな誤差が貢献度に大きく影響する。

パターにセンサーを取り付けてもパッティングの残り距離を正確に記録することができない時点で、パッティングとショートアプローチ、さらにパーオンしたアプローチショットの貢献度が正しい分析とは言えなくなってしまう。
スマートウォッチを利用したショット検知の仕組みとしては、Arccos Caddieよりはるかに使い勝手が良いため、Garmin GolfアプリのレベルがArccosCaddieと同じレベルに追いつけば、価格に見合う価値はある。

Garmin Golfですべてのストローク結果をユーザーが編集できるように、そして編集の使い勝手が向上することを期待したい。

コメント

  1. […] 【レビュー】Garmin Approach(ガーミン アプローチ)S62の貢献度分析(ストロークゲインド)機能を評価するArccos Caddieを半年間試行してみたところ使い勝手の悪い点があったので、同様の […]

  2. 匿名希望 より:

    ガーミン公式ホームページhttps://www.garmin.co.jp/mobile/products/wearables/approach-s62-black/
    サブメータ級補強 みちびきL1S信号対応
    と書かれています。

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